戦国に埋もれし儚き恋

巧哉様に姫様の将来のこと…この国のことを話し、私が考えた案を話す

『協力していただきませんか?』

「私に出来ることならば力を貸す、と言いました。男に二言はありません」

『ありがとうございます』



暖かく…そして優しく微笑む巧哉様に私は無意識に

『巧哉様は…李由姫様をやはりお慕いしているのですか?』

聞いていたのです。
巧哉様は心底驚いたように目を見開いてから困ったように視線を泳がせてから頭を無造作に掻き

「私は剣しか知りません。誰かを慕う気持ちはどのようなモノかなど……ましてや、李由姫様のような御方にそのような気持ちを私が抱くなど烏滸(オコ)がましいと思いませんか?」

と頼りなく笑うのです。
そのお顔は李由姫様が外の世界を恋う表情とそっくりで……

私は涙が零れ落ちそうでした。



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