ACcess -弥猛-
彼女の反応を待っていた。
ネットでの人間関係は生身とは違い、何を考えているか本当に分からない。

私は下ろしていた腰を上げ、もう一度彼女の目を見る。
「貴方はゲームをしにここにいるんじゃないの?
 ねぇ、初めてこの世界にやってきた時は、どんな気持ちだったの?」


パーティを自分から解散して、歩き出す。
私は真っ直ぐ広場を抜け出す。
そのまま歩いて酒場へ向かう。
適当にフィールドに出ようとゲートに向かう。

しかし重たくてなかなか繋がらない。
仕方がないから酒場を出る。

自分のホームに行こうと歩き出す。
こちらも回線が重たくてなかなかホームに入れない。


そうこうしているうちに、私は追いつかれてしまった。
「…あのね、それって普通にルール違反じゃない?
 っていうか、ネットのルール違反よね。」
後ろには先程の剣士が無表情のまま立っていた。
「…。」
「何か言う事ないの?」
「…。」
「普通、そこは謝罪すべきじゃないの?」

それでも何も答えない。


そうこうしているうちに、ホームに繋がった。

私はお構いなしに合言葉を行って入る。

もう、彼女なんて知らない。

さよーなら。
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