兄貴と私の恋愛事情
「あの、」
「え?」
後ろを振り向いた瞬間―――、
「これ、君のだよね?」
体にビリビリと電流のようなものが走った―――。
(なに、いまの?)
「?…大丈夫?」
「え、あ…大丈夫です!」
「そう?それよりこれ、君のだよね?」
男の子の手のひらには私の大好きなキャラ、ミミッチーのキーホルダーがあった。
「そうです!私のです!」
「よかった、君のじゃなかったらどうしようかと思った。」
「!」
男の子が笑顔を見せた瞬間、再び体に電流のようなものが走った。
「じゃあ、またね。」
ひらひらと手を振っていなくなった男の子。
「見たことねー奴だな、外部から来た奴か?」
「………。」
譲は私を見て不思議そうに首を傾げた。
確かに知らない子だったな。
―――それよりも、このドキドキはなんだろう。