華龍-カリュウ-
久々の闘いに興奮して、陸也が止めてくれるまであたしは我を忘れて殴り続けていた。
「そこで止めときませんか?華蝶」
「…あぁ、何時も悪い」
「では、帰りましょう」
陸也は皆を率いて、蛇頭の倉庫から出て行った。
あたしはもう一仕事残ってる。ケジメをつけなきゃ。
「…蛇頭、お前等解散しろ。もう卑怯な事なんてすんじゃねぇ。」
真剣な口調と眼差しで蛇頭の総長を見た。
「………あぁ、分かった」
それを聞いて、あたしはニッコリ笑うと倉庫を後にした。
アイツの表情が本気だったし、ちゃんと解散して更正させるだろうと思ったから。
下の面子を各々華龍の倉庫に向かわせ、あたし等も向かおうとした、その時だった。
何処からか数台のバイクの音が聞こえてきて、コッチに向かってくる。
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