Kill Love
だがもう、今夜以降、それも終わる。

気合を入れなおし、フロをあがった。

再びスーツに着替え、部屋に戻ると、彼はビール片手に夜景を見ていた。

「…キレイだな、ここ。今日はここに泊まらないのか?」

「お望みとあらば。しかしチェックインは朝の10時ですし、会社からは少し遠いので、お昼ギリギリまでは眠れませんよ?」

「わーお★ それはきついなぁ」

着替えの為に、わざわざスイートルームをとった。

しかもツイン。このまま泊まることも可能だが…。

「泊まる前に、あなたには本日最後の仕事をしてもらいます」

メガネをかけなおし、俺は真面目な顔になった。

「分かってるって」

彼はビールを飲み干し、余裕の笑みを浮かべた。

「それじゃ、行きましょうか?」

「はい。あなたの為に」
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