ペットだなんて、言わないで



「お前……猫のままで……良かったよ」



「――っ」


 ハルは……唇を必死に噛み締めていて、俺の目をじっと見て、何か考えてた。


「渉は何も分かってない……」

「何?」


「ハルが……どれだけ我慢してるか……抱っこだって、迷惑だからって思って、言わなかったのに……」

「……そう」




 心が、痛い。


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