ペットだなんて、言わないで

「うーん。猫だったって事? なんで人間なの? つーかそれ本気?」


 いっぺんに質問されて目の前の女は戸惑っている用だが……知らん。


「ハルね、ずっとずっと人間になりたかったの。人間になって渉の傍にいたかったの。だから毎日お月様に祈ってたの」


 ――それで今に至る。


 そんなありきたりな内容、漫画くらいしか聞いたことなかった。


 でも、信じるしかなかったんだ。



 猫のハルは居ないし、猫のハルに付けた首輪と同じデザインのブレスレットを、女のハルがしてるんだから。


 それに……猫のハルとの秘密を、女のハルが知ってたんだ。



< 56 / 379 >

この作品をシェア

pagetop