声恋 〜せいれん〜
キーホルダー、ポストカード、かわいい絵柄のブリキ缶…。
う~ん…どれも違うな~。
どうしよう…どうしよう…。
わたしが決められないでいると…。
「…これだ!」
むこうで蓮也さんが声を上げた。
なになに?
「わっ! かわいい!」
ちっちゃい豆電球型のアクセサリー。チェーンがついていて、ちゃんとぶらさげられるやつ!
根元に綺麗な細工がしてあって、高級感があるんだけど、おしゃれ!
「オレ、これがいい」
「うん、わたしもこの子がいい!!」
ふたりで即決、おじいさんにこれ下さいって手渡した。
出るときにまたお願いして鍵を開けてもらい、ようやく外の世界へもどってこれた。
「ぷっは~」
お日様がキラキラまぶしい。あれだけ静かだと思った外の通りも、鳥の声や車の音で、すっごい騒々しく感じる。
世界はやっぱり、音であふれているんだな~。
ああ、でもこっちのほうがわたしにはあってるや! のびのびする!
う~ん! って伸びをしていたら、また蓮也さんに笑われちゃった。
えへっ。
でも、また来たいな!