声恋 〜せいれん〜




キーホルダー、ポストカード、かわいい絵柄のブリキ缶…。




う~ん…どれも違うな~。




どうしよう…どうしよう…。




わたしが決められないでいると…。




「…これだ!」




むこうで蓮也さんが声を上げた。




なになに?




「わっ! かわいい!」




ちっちゃい豆電球型のアクセサリー。チェーンがついていて、ちゃんとぶらさげられるやつ!




根元に綺麗な細工がしてあって、高級感があるんだけど、おしゃれ!




「オレ、これがいい」




「うん、わたしもこの子がいい!!」




ふたりで即決、おじいさんにこれ下さいって手渡した。




出るときにまたお願いして鍵を開けてもらい、ようやく外の世界へもどってこれた。




「ぷっは~」




お日様がキラキラまぶしい。あれだけ静かだと思った外の通りも、鳥の声や車の音で、すっごい騒々しく感じる。




世界はやっぱり、音であふれているんだな~。




ああ、でもこっちのほうがわたしにはあってるや! のびのびする!




う~ん! って伸びをしていたら、また蓮也さんに笑われちゃった。




えへっ。




でも、また来たいな!



< 120 / 286 >

この作品をシェア

pagetop