声恋 〜せいれん〜




生徒たちでにぎわう食堂で、千明さんのとりまき集団と食事をとる。




わたしはすず側にいなかったということだけで、いつの間にかこの仲間に加えられていた。




「あいつ、ホントむかつくよね。男に色目ばっか使いやがって。どうせアイドルの地位もああやって男をだましてつかんだに決まってる」




千明さんのとりまきの一人が集団全体に聞こえるように話す。




「ちょっとかわいいからって、アニメ声だからって、ちやほやされて、何様だよって感じ」




「…」




千明さんは何も言わない。キレイな姿勢で、キレイにサラダを食べているだけだ。




「あ…、と、でも、すずさんは…それがすずさんの“個性”だと思いますし、彼女は授業をちゃんとまじめに受けています。演技にかけては誰にも負けてませんし、それが彼女の武器だと思います…自分の特徴をよく知っていかすことは、悪いことじゃないと思います」




ふいに優一くんに言われたセリフを思い出したら、自然と口に出ていた。




最近、わたし自信も忘れていたことだった。




タンッ!!!




とテーブルにフォークをたたきつける音がする。



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