声恋 〜せいれん〜
カターン! とコップが倒れる音がファミレスに響く。
さっきまではしゃいでいたみんなの笑顔が凍りつき、一気にみんながおびえだす。
怖くて、不安なんだ。
「あっ…ごめ…コラ、トモキ…」
すかさず、すずがあやまろうとする。
「ううん、だいじょうぶ」
そっと彼女の手をさえぎる。
わたしは白いワンピースにはねたシミを見て、次に智己くんの方を見る。
おびえながら、わたしを見る智己くん。
そんな彼を見て、わたしはニコッと特大な笑みを返す。
それを見て智己くんのこわばった顔もじょじょにほぐれていく。二人で顔を見合わせて、今度はニヒヒヒと笑う。心配そうに見ていたすずに、『だいじょうぶ』って視線を送る。
そこへ店員さんがフキンを持ってあらわれた。
「あ、わたしたちでやりますから。トモくんは机の上を、ふいてくれるかな? お姉さんは、床を拭くから、ね?」
「うん!」
「うん、いい返事! エライぞ~」
そう言ってわたしたちはお掃除をはじめた。