声恋 〜せいれん〜




長めの前髪からのぞく鋭い目。




まばたきをするたびに、長いまつげがゆれてる。




見つめられると、胸がぎゅっとして…




なんだか、泣きそうになる…




その気持ちを、ぐっとガマンしてた。




だっていきなり泣いたら、変な子だって思われちゃうから。




深く澄んだ瞳に、心がギュって、にぎり締められたけど。




言うんだ。




勇気をだして。




「…電話だからって、そんな言い方はないと思います。その気持ちはきちんと会って伝えてあげてください。じゃないと…相手の女の人、かわいそうです」




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