声恋 〜せいれん〜




「『新しい靴、ヒールの高い靴をはいてきて、浜辺で足をとられる女の子』そのときのセリフ、3パターン、か」




えーと、ここは砂浜…デートの相手は…蓮也さん…ふふふふっ。…って、ちがうちがう! わたしはわがままお嬢様…。




「きゃっ…あーん、歩きにく~い。んもぉ~、靴が汚れちゃうじゃなぁい」




元気いっぱいの、天真爛漫な女の子…。




「いいや、脱いじゃえっ! きゃーっ♪ つめたーい、気もちいい~! ふふふっ、キミも脱いじゃいなよ~、ほらほら、気持ちいいよ~♪」




すごく内気な子。




「あ…えと…脱いじゃいました…えへっ、砂が気持ちいいです。いえっ、大丈夫です、ありがとうございます、あ、いえ、はい」




「『裸足で歩く彼女、だが浜辺のガラスで足をけがしてしまい、彼におんぶをねだる』…か」




「きゃっ、いったあーい、やだ足ケガした~、なにこれ!? こんなの捨てるなんてありえなくなーい? おんぶ、おんぶぅ~」




「いった! 足切っちゃった…え、あ、だいじょぶ…じゃないかも! あっちまででいいから、おんぶして! えへへっ、ありがとっ」




「えっ…あ、えと、あの…だいじょうぶ、です…ほんとにほんとに…だいじょうぶですから…え? あ、あのじゃあ…おんぶしてくださ…あっ、ス、スミマセン! やっぱりいいです、あの…え、あ…すみません…申し訳ないです…」




「『おんぶされて一言』」




「キミの背中、意外と大っきくてたくましいのね、もっとくっついちゃおっ(うぉっしゃーっ! ぜってーおとす!)」




「キミの背中、あったかい。えへへ…なんか、けがして、ちょっとラッキー、みたいな…ねっ(恥ずかしいけど…超幸せ!)」




「……………あ、ありがとう…ございま、す…(鼓動が…鼓動がとまらないです~)」



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