真実の奥に。
「さぁ?」


とは言っているものの、彼女の顔は知っていると語っている




どっち・・・なんだろうか






「じゃぁ、いつから知り合ったの?」



「・・・・・。」




「・・・風香?」




どうしたんだろう。


さっきの意地悪な面影は消え、

風香が急に険しい表情になった



・・・そう、


聞きたくない質問だったかのように。




しばし沈黙が生まれる



ふぅ、と溜め息を吐いて言葉を発したのは風香だった





「私と、八木は、」



あたしは思わず息を呑む

それは多分、彼女の声が重く、耳にずっしりと響いたから



「私と八木は、幼馴染なの」


言い終わると、まるで諦めたかのように、

さっきの停滞していた空気を入れ替え、


あたしの反応を面白がるように見てきた




あぁ、そうか。なるほど、と言える答えじゃなかった

もちろん、風香が嘘を吐いているようには見えない







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