真実の奥に。
しばらく呆然と立ち尽くしていると、

後ろから声をかけられた



「千枝? なんだ、6組に用があったのか?」


声の持ち主に体が強張ったのはいうまでもない。



タイミングが悪かった



あたしはゆっくりと振り向くと、


反射的に八木の顔を窺ってしまう



6組に心当たりはないのかどうか。



でも「朝のホームルーム始まっぞ」と脅し気味に言う彼を見て


すぐ自分が馬鹿だったと思った



6組=風香 と思いつくはずがない、と。


裏切られたというのも本当かは分からないわけだし。





ホームルームの始まりのチャイムが鳴って、

「やばっ!」と叫んだあたしを笑って、

2人で教室まで走った









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