真実の奥に。
確かにあたしは犯人を知っている


あたしに直接恨みがあるわけじゃないことも。




でも。


本当にいじめられているような気分になってしまう



靴隠し、机の落書き、手紙・・・・の繰り返し。




やり過ぎじゃない?



それを八木にバレる度に、誰がやったんだと怒りを抑えてつぶやいていた




八木は言っていた。クラスのみんなの前で犯人に自ら出てくるように言いたい、と。

でも同時に、”あたしが嫌がらせを受けている”と、クラス中、いや、学校中に広まってしまうかもしれない、と心配していた




あたしは犯人を知っているのにどうすることもできない。


こんなことは止めて、と言うべきなのかもしれないけど

無駄なような気がした



そんなこと言っても、復讐の矛先が八木本人に向かれるだけだろう

じゃあ、このままが一番いいのかもしれないな・・・。






でもそんなことを考えるだけ無駄だった








・・・・ある日、ずっと守っていたそれはいとも簡単に崩れた












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