真実の奥に。
全く予想外だった。

朝のあの異様な空気を読み取れなかったとでもいうのだろうか?


「まさか進路の話とかじゃないですよね?」

自分で言いながら思わず笑ってしまった。もういっそ、進路の話をしてほしい。


だって国語教師の顔はいつになく渋い顔をして、この先言われることが良くないことくらい分かっていた。


でも、一体何の話?



「俺は、お前に対するいやがらせに薄々気付いていた」

国語教師がトーンを落として話し始めた


「…でも、その手の問題は大人が介入しない方がややこしくならないことくらい分かっていた。だから俺も黙っていた。」



気付かれてた…か……。



「でも、もう放っておける場合じゃない。今からすぐに俺が対処しないといけない段階まで来ている。」

「ちょっと待って先生。対処しないといけない段階って……?何かあったんですか?」


言った瞬間、ぱっと目を逸らされ、あたしは確信を得た。





この人は、隠し事をしている






「一体、何があったんですか?!」

「取り敢えず、まずは俺がさりげなく情報を…」

「何があったのかって聞いてるんです。話を変えないでください。」


あたしは真っ直ぐ国語教師を見た。向こうは戸惑った顔で見返した。



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