真実の奥に。
見事に捕らえられてしまった。


この先のことを思うとなんだか憂鬱で、腕を引っ張られているせいで前のめりになりながら、あたしは小さくため息をついた。


着いたのは職員室ではなく、視聴覚室だった

ガラッとドアを開けると、初めて国語教師はこちらを振り向き、「入れ」と命令した


歯向かう気力もないので、言われた通りにした。


国語教師は2つの机を向かい合うようにくっつけて、座らせた


国語教師と向き合う形になり、あたしは思わず目を背けた


「朝、何があったんだ?」


「……。」


やっぱりそのことか。というかそれしかない。




「……まあいい。

俺はそれとは別の件でお前を呼んだんだ。」



「………え?」



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