真実の奥に。
「その猫は1週間前に行方不明になっていた猫だそうだ。」

国語教師の言葉がズシズシと頭に乗っかってくる

あたしは何も言えずにいた


「ほらみろ。聞かなかった方がよかっただろ。」

「・・・・」

「いいか、とにかく今すぐ犯人を止める必要があるんだ。心当たりがあるか?」

「最後の最後までしつこい奴だなぁ」

「心図?」

あたしは理性が吹っ飛んだ

「風香ですよ、犯人は。」

国語教師は目を見開いた

「風香って、6組の八代風香のことか?」

信じられない、という表情をしている国語教師を鼻で笑った


「嘘だと思ってる?風香は自分で白状してきたんだよ。」

あたしはそう言うと立ち上がった。


「おい、どこに行くんだ?」

続けて席を立とうとする国語教師を遮る様にして答えた。


「風香のところにきまってるでしょ。あっさりと肯定する彼女を先生もその目で見るといいよ。」




視聴覚室を出て、静まり返った廊下を歩いた



「・・・・・ふはっ」


もう駄目だ。堪えられない。



「あはははははは!」






あたしも風香と同じように狂ってしまいそうだ。






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