真実の奥に。

次の日から、あたしの周りに変化が起きた



別にこれといって大きな変化ではないのだけれど・・・

「心図ー、はよー」

あたしの周りに苗字で呼び捨てで呼ぶ友達はいない

ましてや、この声は女子の声ではない


あたしに挨拶をした、この人物は

どうみても昨日あたしに恥をかかせた八木だった


「お、おはよう」
八木は自然にあいさつをしてくれたのに
あたしは驚きでどもってしまった

そんなあたしの心境を知ってか知らずか、
彼はニッコリと笑って自分の席へと歩いていった


去って行く後ろ姿を見ると、彼の茶色い髪は朝日に照らされて
やや赤っぽくなっていた


クラスメイトの爽やか君、とはやっぱり言えない彼

でも、実際中身はそうでもないのかも、と思う自分がいた





これからもう1つ、変化というよりも、異変が起こることを知らないあたしはそんなのんきなことを考えていたのだ―――



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