真実の奥に。
「そういえばさぁ、千枝の好きな人って誰なの?」

今日は、日曜日。
ちゃんと遅刻せずに来れたのはいいのだけれど、
ちょうどお昼の時間になってフルリエに入っている、なんか素敵なイタリアンの店に入り、

10分も経たないうちに、槙がその話題を出した


しまった・・・集合してから2時間の間はその話が無かったからすっかり油断していたのだ


聞かれたら、「えっ」と乙女っぽく驚いて
「まだ秘密ね」と可愛~く言う予定だったのに、

今のあたしはきっと”しまった”という顔をしているであろう


「そうだよ!聞いてなかったね!」

よっしーがそう言うと、

いよいよみんなが聞く気満々になり、
好奇心いっぱいのキラキラが瞳からにじみ出し、

あたしは困り果てた末に

潮那に目で助けを求めた



・・・が、

潮那はさっきからあたしの様子を見てたのか、
フンと鼻を鳴らして手元のフォークを掴んで、スパゲティをくるくる回し始めた


見捨てられてしまった・・・


おーマイGAっと!






< 28 / 165 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop