真実の奥に。
むしろ正反対で
潮那は少し複雑そうな顔を見せた

そんな潮那に何も言えずに居ると、

「ねぇ、あんたもしかしてさぁ・・・」

そう呟いてテーブルに身を乗り出して、
あたしの表情をじっくりと窺(うかが)った


それでも見つめ返すことしかできないあたしに

潮那はストンと浮かしていた体を下ろして


「いや、やっぱいいわ」

何を考え直したのか、言いかけたのをそのままにされて黙っているはずが無く、

「何?!最後まで言ってよ」

アイスコーヒーを口に運んでいた潮那はあたしをチラッと見てから、コップをテーブルに置いて、

「たいしたことじゃないから」

「たいしたことじゃないなら言って「それより、」

今度は遮られてしまった
潮那はそのまま続けた

「あんた明後日の時間とか、待ち合わせとか聞いてなかったでしょ。
10時半に北駅に集合だから、遅刻しないでよ?」

うぐっ

確かに、その話は聞いてなかった・・・

潮那の完璧な交わし方に
あたしは素直に返事するしかなく、
「うん。わかった・・・」


結局、潮那はバスが来る時間帯だからもう帰ると言い出したので、
喫茶店で解散することに。




多分、日曜日にまたあたしの好きな人聞かれるんだろうなぁ・・・

もうみんな忘れてればいいのに。




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