瑠璃色の華
「あのぉ。祥啓さん?」

総司が遠慮がちに話しかけてきた。

「はい。なんでしょうか?」

祥啓はいつもの笑顔で総司へと向き直る。

「そちらの…えぇと慧斗さんでしたか?」

総司は名前が覚えられていないのか自信なさげに言う。

「慧斗が何か…?」

祥啓が問うと総司は不思議 そうに首を傾げる。

「どうして先程から日本語を話しているのですか?」

総司の言葉にその場の空気が凍った。

「それが…私にも分からないのです。慧斗がこの刀に触れてから急に…。」

祥啓はハッとしたように口を噤む。
そして何かを思い立ったように光琳へと日本語で話しかける。

が、やはり光琳には通じない。

「もしかして…。」

今度は孫の言葉で刀に触れるように言ってみる。

最初こそ戸惑っていた光琳だが、主の言葉には逆らえずに刀に触れる。

「私の言っている言葉が分かる…?」

再度日本語で話しかけてみる。

「はい。」と光琳が日本語で答えた。

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