瑠璃色の華
「やっぱり…。」

祥啓の中に1つの確信が芽生えた。

「どういうことだ?」

土方さんが怪訝顔で聞く。

「この刀のせいですわ…。光琳や慧斗がこちらの国の言葉を話せるようになったのは…。」

祥啓はそっと刀を撫でる。

「水をもって剣を成し、鞘をもって猿を征する。」

それは、孫家に伝わる家宝水寓刀の名前の由来だ。

「もし、猿が何かをしたなら…。」

慧斗達のことも納得が出来る。

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