瑠璃色の華
「ここが俺の部屋だ。」

土方は障子を開けて蓮に中に入るように促した。

「そろそろ演技を止めても…?」

そういう蓮に土方は頷いた。

「はぁ。疲れましたわ。これから毎日こんなに疲れるのですね…。」

ふぅと息を吐く蓮を見て土方は喉の奥でクツクツと笑った。

「いやぁ。でも上手かったな。あの3人すっかり騙されてたじゃねえか。」

土方がキセルに葉を詰めて火を付ける。

「あれは…。3人が騙されやすいだけでございますわ。」

その言葉に土方はキセルの煙を吐き出し、蓮を見た。

「何か…?どうかいたしましたか?」

土方の視線を感じた蓮が体ごと土方の方を向いた。
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