瑠璃色の華
「止めねえか?その言葉づかい。」

土方はもう一口キセルを吸ってからカンッと灰を落とした。

「後、俺には様も付けなくていい。体が痒くなってたまんねえかんな。」

土方はまた新しい葉をキセルに詰めだした。

「分かりました。では土方副長とお呼びすればいいですか?」

その言葉に土方は頷き、キセルを美味そうに吸った。

「なんで、蛍じゃなくて蓮だったんだ?」

その問いかけに蓮は
「虫の名前をもらって喜ぶ人はあまりいませんよ。」と答えた。

「そうか。」と言ったきり土方は文机に向かい何かを書き始めた。

(あっ…。眠い…。)

疲れもあったのか蓮は重くなってくるまぶたの重力に耐えきれずに眠りについた。

< 65 / 109 >

この作品をシェア

pagetop