【短】─サクラサク─
 オレが呟いたのを聞き返すように、今度は俺の肩にサクはやってきた。

文句を言わないサクにほっとしつつ、ピッと通話ボタンを押して耳に当てた。



『ヒロ!?今どこよ!!』

 ………はあ…。

 ため息を一つついて責め立てるような言葉に耳を傾けた。


「今ぁ?ピンクの妖精と戯れてる〜」

 受話器の向こうできょとんとしている様子が目に浮かぶ。


俺だって今の現状に納得はしてないんだから。



『ねぇ、頭でもぶつけたの?』


 …まあ、ごもっともな反応だよな。


 チラリと肩に座るサクを見たけれど、なんだよ、とでも言いたそうな視線を向けてくるだけだ。


 きっとサクを見せたら驚くに違いない。

俺の言葉が真実なことに。


『とにかく、ヒロのお母さんが探してたよ!?あたしにまで電話かかってきたんだからぁ』

 文句を言っても仕方ないとわかってるのか、あまり怒りは感じない。

ただ、矛先を俺に向けたいのだろう。


『もうすぐ着くから、面倒起こさないでよね』

 呆れた声が俺のやる気を更に削ぐってことが分かっていない。


「さくらってさぁ、嫁って言うより母だよな」


< 11 / 21 >

この作品をシェア

pagetop