婚約者☆未満
何枚かの綴りになっているそのデータをざっと見て、ドレス、着物、小物、と蛍光ペンを借りて色分けした。
「いい?
智代っちは、あたしがピンクで塗ったドレスのチェックをして。
黄色で塗った着物と水色の小物は飛ばしておいていいから。
わかった?」
あたしはデータを智代っちに返して、そう言い聞かせた。
「は、はい。
でも、残りの黄色と水色のは……?」
不安そうにあたしを見上げる智代っちを安心させるようにあたしは微笑んでみせた。
「大丈夫。
ピンクが終わったら、次に黄色、黄色が終わったら次に水色をやるから。
いい?」