これが本当の大恋愛
私の前の席には、さっき自己紹介していた転校生がいる。


名前なんだっけ?


『トントン』

名前を思い出せなかった私は、前の人の肩を軽く叩いた。

なんせ、私は、人の名前を覚えるのが苦手だからね!笑


「なに?」

転校生が振り返って、私を見つめ・・・

いや、私を見た。


「ごめん。消しゴム取ってくれる?」

私は、彼の机の下あたりを指差して消しゴムの位置を示した。


「はい」

「ありがとう」

転校生から消しゴムを受け取った私は、また落とさないように注意しながら授業を受けた。


また賢也に笑われるのが嫌だったし、転校生に話かけるのも嫌だったから。
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