夏雨シロップ。
手も、足も、
気づけば体中の自由が奪われていて動くことができない。
痛い、けど...幸せの瞬間。
「...俺も...」
ちゃんと気持ちを伝えられたはずなのに
田辺くんは何故かいつもより、弱々しい声で。
しかし、また力を強められ、胸の中でじっとしてれば
私の腕に一つの雫が落ちた。
「...ふふ
室内なのに、雨?」
「ーーッ!」
私の言葉に
びくっと体が反応したかと思うと
ぎゅうっと無言で、腕の中に閉じ込められた。