‡俺様リーダーと田舎娘‡

本番開始

麻紀の可威に対する曖昧な気持ちは変わることなくバレーボール大会が開始された。
この学校では、運動場に幾つかコートを作って行う。
今は日差しの強い時期。
一試合あるとカナリ汗をかく。
麻紀のチームは全部で4試合ある。
1試合目、相手が弱いのか、麻紀のチームは圧勝。
「やったね、可威」
「あ?あぁ、まあ、な」
そんな他愛のない話をしながら2試合目の開始を待った。

2試合目が開始される。
麻紀達はさっきの勢いに乗るように円陣を組み、
「頑張るぞー!!」
「おーーっ!!」
と叫んだ。
−−−しかし結果は1試合目とは打って変わって惨敗。
余程相手は強かったのだろう。
「ゴメン、みんな…」
麻紀はチームの皆の前で謝っていた。
「んなこと気にすんなって!」
「そーそー」
チームの皆は麻紀を励ました。
「皆……」
「誰もお前がわりぃなんて思ってねぇよ」
可威もフォローを入れた。
「可威…皆…ありがとう!次は頑張ろう!」
「おーーーーっ!!」
麻紀の一言でチームに勢いが戻った。
麻紀達は皆、3試合目が始まるのが待ちきれないかのようにソワソワしていた。
そんな中、一人異常に汗を流し、息を荒くしているやつがいるとも知らずに……


3試合目が始まると、麻紀は少しふらついていた。
2周目の麻紀のサーブ。
突然麻紀が倒れた。
「麻紀!」
いち早く駆け付けたのは可威だった。
「おい!麻紀!!しっかりしろ!!」
(可威うるさい……)
そう思ったとき、麻紀の意識は途絶えた。
< 8 / 9 >

この作品をシェア

pagetop