君に愛の唄を


現実離れし過ぎてる現実に困惑するのは、きっとしばらく続くんだろうな。


クールな笑顔も
ハニカミ笑顔も
無邪気な笑顔も


どれも、同じ蓮なんだもんね。



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「また遊びに来てね」


「はい!じゃあ、おやすみなさい」



私はそう言って歩き出した。

隣には、眼鏡をかけてない蓮。



「夜は涼しいな…」


「そうだね…」



夏の星空も綺麗に見える。


明日からは学校がないぶん、蓮に会える機会が減る。


寂しい。



「メールも電話もするから…」


「うん」


「浮気もしないし…」


「当たり前」


「泣くなよ?」


「泣かない」



蓮を真っ直ぐ見ていられない。

蓮の真っ直ぐな瞳には負けるから。


それに……

今、泣きそうなの。
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