君に愛の唄を


「先生、実は私───」



《歌手のココロなんです》



その言葉に先生は驚きを隠せない様子。



「嘘をつくな、中田」


「嘘じゃありません!!」



大きな声が静かな職員室に響いた。

教員全員の視線なんて気にしてらんない。


信じてください。

私は本当にココロなんです。



「……そうか。それじゃ、ココロとして歌を作っていくのに専念するのか?」



信じて…くれた。



「あ…はい!あと素顔も公開しようと思います。それでシンガーソングライターとして生きて行きます」



良かった。
信じてくれて…


それにしても、私の決心は固い。

みんなに反対されようが何て言われようが私は素顔を公開する。


それで…


それで、大きなステージで歌うんだ。
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