君に愛の唄を


──ピンポーン…


その音に、いつの間にか眠っていた私は目を覚ました。


目が重たい。

きっと目が腫れてる…



「やっぱり…」



鏡で自分の顔を見るとやっぱり腫れてて。


──ピンポーン…


あ、忘れてた。

誰か来てたんだった。


私は重たい体をできるだけ早く動かした。



──ガチャン…



「はーい…」



目線の先にあったのは私と同じ高校の男子用の制服で。

斜め上に目線を上げると「大丈夫?」と一言、言った蓮だった。


固まってしまった私の体。


本当に風邪をひいたのか

蓮のせいなのか


頭がボーッとして何も考えられない。


えっと…

どうすればいいの?
< 270 / 310 >

この作品をシェア

pagetop