君に愛の唄を


そんな私の心境を読み取ったのか、


「あの~、とりあえず中入ってい?」


「あ……うん」



丁度、お父さんもお母さんもいない。

だから、私は蓮を私の部屋に案内した。


二つの足音が何だか新鮮な気持ちを呼び寄せていた。


部屋についた私はなんか落ち着かなくて。



「あ、お茶持って…」


「あ!!いいよ!」



蓮は私の手を掴み、ひき止めた。


私は「うん…」とベッドに座った。

蓮は私の隣に座った。



「大丈夫?」


「うん」



どこか力が入らない。

蓮のオーラが初めてキツく感じた。



「大丈夫じゃないじゃん」


「大丈夫だもん…」



強がってないと崩れそう。


何が崩れるの?と聞かれたらわからないけど……きっと精神だと思う。


気持ちが折れそうで…

崩れそうで、怖い。


不思議なくらい冷静な自分と、自分を必死に保とうとする私がいる。


とても不思議な気分。


良い気分とは言えないけれど。
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