君に愛の唄を
歌姫と友情の絆


その後は気まずい空気が流れていたけど、蓮がわざとらしいぐらい笑顔でいろいろ話してくれた。


しばらく仕事がなくて暇だとか…

私の歌の感想だとか…


でも、私は「うん」とうなずくことしかできなかった。


ごめんね、蓮。

私は今、すごく苦しい。


それをわかってて優しくしてくれているんだよね?

……ありがとう。



「今日は行かなくちゃ」



私は制服に手を伸ばした。


いつまで凹んでんの!私!

こんなの中田心菜じゃない!


私は私らしく頑張るだけだもん。


うじうじして…

柄にもなく悩んで…


顔をパンパン!と両手で叩いた。



「行って来まーす!!」



私は勢いよく駆け出した。


諦めたら、全てが終わる。

諦めなかったら、奇跡が起こるかもしれない…───
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