街で君の唄を聞いた
つーか上着脱いだだけで騒ぐなよ…。
暑がりなんだから仕様がないだろ。
「…取り合えず、あの街に向かうぞ。休暇も含め、少しの間時間を取ろう。焦って捜していても無駄だしな」
うんうん。
ヴィーノの言う通りだ!
流石最年長なだけはある!
「あー女の子がいー」
「何やレイヒちゃん。女の子がええんか?レイヒちゃん女の子やから、“格好いい男の人が良い”なんて言うかとてっきり。まぁ俺も女の子がええんやけど。レイヒちゃん男らしいからなぁ」
「…言わねーよ。悪かったな男らしくて(この女たらしが)」
「ほら言葉使い。でも大丈夫大丈夫。少なくとも此処に居る奴等と、城に居る奴、レイだけは女の子として見とるから」
「そうじゃなくて…。あんまり男に囲まれてると、むさ苦しいというか…。だから女の子でも居たら目の保養になるかと思って」
「成る程なぁ〜」
―そんなこんなで着いた訳ですが。
…パネェ。
これは、あの、その…。
なるな〜なんて考えてはいたけど。
「キャーッ!お兄さん達イケメン!」
「ホント〜。罪深き男性?みたいな!」
「言えてる言えてる!ヤバいよー。あたし鼻血出そう!大量出血で倒れて運んで貰おうかなぁ!勿論、お姫様だっこで!」
「「キャーッ!!」」
…うんざり。
絶っっっっっっ対になると思った光景だ。
勿論あたしなんかあの露出度高いお姉様達の目には、この男共しか見えていない。
つまりあたしは眼中に無し。
“あ、居たんだ?”っていう扱いになっていると思う。
それか、“何この女!イケメンのお兄さん達に囲まれちゃって!いい気にならないでよね!”とかありそう。
…そもそもあたしは女として見られているんだろうか。
掛けられる言葉がそれであったとしても、女としてはみとめて欲しい。
「ねぇねぇん。此処に来たんなら〜いたら〜」
「悪いが俺達は暇じゃない」
言った。
言っちまったよこの兄さん。
いった途端、一気に不満顔になった。
…恐るべし。