街で君の唄を聞いた
おっと、すっかりマイワールドに入っちまったぜ。いけねぇいけねぇ。
「うーん…どれも美味そうなんだよなぁ…」
とか思ってたら、
ズガガガガガ!!!!
「何だよこの音!?」
「あぁ、気になさらないでください。あれは今度新作のマカロンを品評会に出すべく、研究しているんです」
「明らかに工場音ですよね?」
あの音がお菓子なんて到底思えない。
寧ろ改装工事をしているので立ち入り禁止です、な音だろう。
(つかこの世界にマカロンってあったんだ)
超機械な音…。
あれがもしも本当にお菓子になるのなら、毒味としてヴィーノに食わせよう。決ーめた。もう決定事項ー。
すると機械音がピタリと止まり、ひょっこり奥の部屋から人が出てきた。
「おぅ、いらっしゃい」
「この人、店主のトゥエイン。こんなんでも私の夫なのよ。全然夫婦に見えないでしょう?笑えてくるわよね~。だって私この人に100戦中99勝もしたのよ?一勝しただけだったけど、約束でプロポーズ受け入れたのよー」
「エリフ…!」
「あらいけない、私ったら。この子達には話したくなっちゃうのよ」
「そういえばコイツは、フェンディよりヴェリアスによく似ているな。性格はフェンディ似か?」
「ツンツンしてたまーに照れてるのを見ると、きっとそうね」
わいのわいの。
この夫婦はお話が大好きなんですね。
きっとヴェリアスさんが父さんで、フェンディさんが母さんに違いない。流れからして。
しかし…ヴィーノはやっぱりツンデレだったんだね!
いや、クーデレでも通じると思うけど!
これを見たらきっと体型が素敵な人はメロメロどっきゅんになると予想。
卒倒する人も稀に出てきそうだな。
『キャッ!ヴィーノさん素敵ッ!』とか絶対誰かしらは言うぞ。これは言える。
あと『ちょっとあたしにデレてみな~い?あはーん』…は、無いか。
自分で想像しといてアレだけど、あはーんは無いな、あはーんは。