街で君の唄を聞いた



「なぁ、レイヒ遅くない?俺呼びに言ったの結構前だよ?」

「…そうだな。俺が王女にレイヒの事を聞いてくる」

「行ってらっしゃーい」



キィ…バタンッ

――ザワッ!



「…あれ、レイヒ?」

「…俺も思った。あんなに嫌がってたのに」



カツン…カツン…

カツン



「お待たせしましたわ。さ、行きましょうレイヒ様」

「…」








あぁ、大恥だ。
一度も無かったのに…。

ドレスなんて、一度も着たこと無かったのに。

公衆の前…いや、例え家の中に自分しか居なかったとしても、ドレスなんて着ないだろう。

会場はざわめかしいし、壇上近くにいるみんなも………。


…おい、ヴィーノはどこだ。



「あら、ヴィーフェル様」



うおおおおお!目の前!?
これが灯台もと暗しってやつか…!
畜生、コイツだけには一番最初に見られたくなかったああああ!!

サッと女王の後ろに移動すると、即行でヴィーノの前に押し出された。
やっぱり女王鬼畜だろ!!



「さ、レイヒ様とヴィーフェル様は一緒に壇上近くへ先に行っていてください。私は少しやるべき事がありますので」

「えちょっ…」



にこやかに言われても…!
つーか一緒ってとこ強調しすぎ!
しかも移動早えええ!
おほほほほとか言いながら過ぎ去ったよ!



「行くぞ」

「ままま待てよ…!ヒール慣れてないんだよ…!」



だって普段履かないし!

っと…、わっ!
こけっ…!



「危なっかしいな、お前」

「あああありがとうございます…」



…おい、何だこの恋愛的シチュエーションは。
夢か。夢の中なのか。

…んなわけない。

い、いやー、それにしても…この図は無いな。



「…何か執事みたい」

「だからお前は危なっかしいから手を取ってやってるんだろ」

「し、紳士じゃねぇ…」

「それとも」

「ぅおっ!?」

「こっちの方がいいのか?…お嬢様」



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