街で君の唄を聞いた

あ、トイレ行きたい。



「悪い、シェラン連れて先行ってて」

「分かった」



大きな扉の出入り口を通り、すぐ側の角を曲がろうとしたら―――。



「うおっ!?」

「失礼しますレイヒ様。私達と共に来ていただきます」

「はぁ!?」



強制連行。

足の自由はあるが、手は二人の人にしっかりと掴まれていて、振り払う事が出来ない。

見たところはこの城の警備さんっぽいけど………どこに連れて行くつもりだ。


コツンと音を立てて、立ち止まった扉の前。
よく見ればさっき着替えた場所と同じ所である。
もしかしてホントにメイクすんの?



「失礼します」

「…ぁ、れ、女王様?」

「ふふ。レイヒ様は燕尾服が似合いますわね。お美しいですわ」

「勿体無きお言葉…じゃなくて!どうして更衣室に居るんですか!?」

「何故だと思います?」



ニコリと笑う人。
今はそれが何故か黒ーく見える。
今は自由に身動きがとれる。
だけど扉には連れてきた警備さん。

…何だこの逃げられないシチュエーションはぁあ!



「やっぱりレイヒ様も女の子ですもの。是非ともドレスを着せみたいものですわ」



……………ぱーどぅん?
あれれ、うまく聞き取れなかったな。
耳掻き欲しいな。詰まってるのかもしれない。

うふふ、やだん、ドレスとか聞こえたゾ!

はて、ドレスとは。何の事やら。
あたしには聞き覚えないなぁ。


「さ、お願いします。ドレスは私が用意したものを使ってください」

「御意」



はっ…!
やばいっ!着せられる!

あたしはリコチャン人形じゃないんだぞぉぉぉぉぉお!!

うおおおおしかも逃げれねぇぇぇえ!!!
何故そこまで着せたいんだ!
やっべーもう女王様怖いよ。恐ろしい。



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