街で君の唄を聞いた
「…疲れた…」
ステージに上がったあと自己紹介をして、はいお終い、とか思ってたら甘かった。
全員自己紹介した後、女王が何故か興奮し始め、しかもそれが一時間以上にも及んだ。
立ちっぱなしだった足は限界である。
今は上のバルコニーのベンチに座って休んでいる。
夜風が気持ちいい。
…ドレスだと、変な格好出来ないな。
まあ今誰もいないからダラダラ出来るけど、万が一の事を考えて、女の子らしく座っている。
落ち着かないなぁ。
「こんな所にいたのか」
「あー…ヴィーノ…」
「食欲旺盛なお前が食べないのは珍しいな」
「黙れよ」
つーかそんなキャラじゃねぇよ、と付け足して言うと、スッと何かを前に出してきた。
…あ、これこないだ食べてうまいって言ったやつだ。
よく覚えてたな。
「見せびらかしなら要りませんよー」
「減ってると思って持ってきたんだろうが」
「え、何くれるの?今日どうしたんだよ。気味悪ぃよ」
「失礼な奴だな。俺が折角持ってきたって言うのに。ここまで来るのにどんだけ体力消耗したと思ってんだ」
まぁその服じゃ騒がれるのも当然だろ。
それに髪だってちゃっかりセットしてあるし。
他の女性軍が目をハートにするのも無理はない。
「ああ、そっか。お前今日執事みたいだからなんだよ」
「有り得ないな」
「いや有り得るから言ったんだろうが。だって燕尾服着てるし、なんつーか、紳士的?っていうのかな」
「ふーん」
「いやふーんって。あ、それにさっき料理持ってきてくれたし?」
「気味悪いと言ったのは誰だ」
はいはいすみませんね!
でも思っちゃったもんは仕様がないだろ!