街で君の唄を聞いた

あほ毛がアンテナみたいに立って電気放ってます(現状況)。



「…ヴィーノもコルクロットもそのだらしなーい髪切ったらどうなの?見てて暑苦しく感じて仕様がないわ。何?それとも今日切りに来たの?」

「…ヴィーノと俺やなくて、この子やねん」


正にビシッ!と鳴るような音で、コルクはあたしに向けて指を指した。
人に指差してはいけないということは、知らないのだろうか。コイツは。



「キャーッ!!かぁわいいー!」

「ぐぼぁ!!」

「妹!妹に欲しいわ!!このしっとりとしたツヤのある髪の毛!一番好きな髪の毛だわ!!これぞ探し求めていた髪の毛よ!」

「あ…のッ……苦しぃ…で…す」

「あらっ!ごめんなさい!つい!」


彼女は エヘ☆お馬鹿さん☆とでも言うかのような顔を見せた。



…この人普通にしてればスッゴく綺麗だと思う。絶対。




「ハルデ、レイヒ様を男ら・し・くお願いしたしますわ」

「オーケーオーケー♪きゃわいい子なら大歓迎よ!!」


まじでか。
っていうかさっきレイ、男らしくをスッゲェ強調してましたけど、





そんなにあたしを男に見せたいか。



「あら。レイヒ様。私は動きやすさを配慮していますのよ。決して男にしたいからではありませんわ♪」

「何だそのノリノリな喋り方は…!!」

「そんじゃレイヒちゃーん、こっち来てー」

「あぁ…は、ははーい…」




後ろから見ればミイラ状態だろう。恐らく。
気持ち悪がられるに違いない。
< 29 / 236 >

この作品をシェア

pagetop