街で君の唄を聞いた
あほ毛がアンテナみたいに立って電気放ってます(現状況)。
「…ヴィーノもコルクロットもそのだらしなーい髪切ったらどうなの?見てて暑苦しく感じて仕様がないわ。何?それとも今日切りに来たの?」
「…ヴィーノと俺やなくて、この子やねん」
正にビシッ!と鳴るような音で、コルクはあたしに向けて指を指した。
人に指差してはいけないということは、知らないのだろうか。コイツは。
「キャーッ!!かぁわいいー!」
「ぐぼぁ!!」
「妹!妹に欲しいわ!!このしっとりとしたツヤのある髪の毛!一番好きな髪の毛だわ!!これぞ探し求めていた髪の毛よ!」
「あ…のッ……苦しぃ…で…す」
「あらっ!ごめんなさい!つい!」
彼女は エヘ☆お馬鹿さん☆とでも言うかのような顔を見せた。
…この人普通にしてればスッゴく綺麗だと思う。絶対。
「ハルデ、レイヒ様を男ら・し・くお願いしたしますわ」
「オーケーオーケー♪きゃわいい子なら大歓迎よ!!」
まじでか。
っていうかさっきレイ、男らしくをスッゲェ強調してましたけど、
そんなにあたしを男に見せたいか。
「あら。レイヒ様。私は動きやすさを配慮していますのよ。決して男にしたいからではありませんわ♪」
「何だそのノリノリな喋り方は…!!」
「そんじゃレイヒちゃーん、こっち来てー」
「あぁ…は、ははーい…」
後ろから見ればミイラ状態だろう。恐らく。
気持ち悪がられるに違いない。