街で君の唄を聞いた

「…ったく、コルク早く着替えてこい。レイヒ、後でルレイブが食事持ってくる。それまで顔洗っとけ」

「「うぃー…」」



黒いオーラを放ちながらヴィーノは部屋から出て行った。

けど。



「何居座ってんの」

「やー…寝ぼけてんのかな。フラフラしとん…」

「お前不安定でこっちが怖いんだけど」



ポテ



「…スー…」

「起きろ。人の膝の上で寝るんじゃねぇ」

「……スー…」




気持ちよさそうに寝やがって。こっちは顔洗いたいんじゃー!!






無邪気で無防備の顔。
整った顔立ち。
サラサラの緑色の髪。
少し長い睫毛。


ここだけ取り出すと可愛いんだけどな。




でも退いてほしい。
何も出来ん。


無理矢理でも頭退けるかー…。


「よぃ…しょ」

「…んー…」




抱きつくな。
さり気なく絞めすぎだろ。
若干苦しい。



「おーいコルクー。会議どうすんだー。遅刻するぞー」


ペチペチと音をたてながら軽く頬を叩く。

なんだこいつは。
頬までスベスベじゃねーか。
ちくしょー!!



「レイヒちゃーん…」

「ん?」



まさか運べって言わないよな?
いくら何でも背負い投げに変わるぞ。


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