街で君の唄を聞いた
『おーい。今日の夕飯何がいー?』
『…っか!!馬鹿ッ手前ぇ人の部屋にノック無しで入ってくんなよ!』
『あ、冷灯ちゃん久しぶりー』
『また窓から来たんですか。いい加減落ちても可笑しくないかと』
『…暫く会わない間に性格変わった?うん、確実に変わってるね』
『はは。気にしないでください』
『今コイツ病んで『首を絞めてあげようか』
『そんなサービスいらねぇよ』
『サービスじゃねぇよ。天国行きの特急列車だ』
『ンなもんねぇし。とうとういかれたか?脳みそが紙っペラ』
『黙れ。少なくともお前よかマシだ』
『そだ。お前もコイツが作る夕飯食ってけよ。また最近コンビニ弁当なんだろ?』
『まぁ、そうだけど…。冷灯ちゃんに迷惑かけるし…』
『いーです大丈夫です。どうぞ食べてってください』
『本当に?ありがとう!』
『じゃあ今日はー…』
何を、思う。
今更夢じゃないって分かってるのに、帰れはしないって分かってるのに…!
どうしてこんなにも…!!
震える肩を自分の手で支える。
ついさっきレザは出て行ってしまった。
お陰で誰もいない部屋に、泣くのを我慢する声だけが、聞こえてしまう。
泣くなんて、らしくない…。