花の魔女
ナーベルとフィオーレは驚いてアナベラを見つめた。
二人とも、まさかアナベラがそのような提案をしてくるとは思いもしていなかった。
アナベラは二人の反応を気にも止めずにペラペラと話し始めた。
「私たちのところなら、ちょっとした森のようなものもあるし、花の咲き乱れる温室もありますわ。冬でもいろいろな花が咲いていますわよ。
それに私たちが責任を持ってお守りしますし、修行の手助けもできるんじゃないかと思いますの」
アナベラが手についたパン生地を鬱陶しそうに払いながら言うと、ナイジェルとフィオーレは一度顔を見合わせ、それから目を輝かせてナーベルに飛びついた。
「それがいいわ。アナベラさんのところなら、安心して任せられるもの」
「そうですわ!それに花の温室があるのでしたら、この季節でも修行ははかどります!ナーベル様、このお話、受けましょう!」
ナイジェルとフィオーレは意気込み、ぐいぐいとナーベルに詰めよった。
そんな二人の気迫に圧されて、ナーベルは少し後ずさる。