花の魔女

しばらくジェイクと楽しげに会話していたフィオーレは、はたと何かに気づいて不思議そうにキョロキョロと辺りを見回した。


「そういえば、ラディアン様はどこにいらっしゃいますの?姿が見えませんが」


ナーベルははっとした。


フィオーレはラディアンが連れていかれたときにはすでに眠りの中にいて、何が起こったのか知らないのだ。


ナーベルはジェイクと顔を見合わせると、ジェイクも気まずそうな顔をしていた。


ジェイクがひとつ頷いたので、ナーベルもこくりと頷いた。


首を傾げているフィオーレのほうに体をむけ、すーっと深呼吸すると意を決してフィオーレと目を合わせた。


「フィオーレ、落ち着いて聞いて欲しいの……」






< 83 / 244 >

この作品をシェア

pagetop