飴色蝶 *Ⅱ*
「マコ
 教えてくれて、ありがとう」

「仕事が終わったら、真っ先に
 逢いに行きなさいよ」

私は、麻子に深く頭を下げた。

貴方が決めた道なら、私は
もう何も言わない。

ただ、愛する人の傍にいたい。
  
貴方を、いつか失ってしまう。

いつか・・・

その未来を

私は、恐れたばかりに

今という、掛け替えのない時間
を無駄にしてしまった。

もう、戻っては来ない。

この半年間の空白が、貴方に
何も聞かずに

勝手に別れを決めた・・・

私への罰。

許すのは、私じゃない。

イオリ

貴方に許してもらえるのなら

もう、二度と離れないと
誓うから

貴方の傍に居させてください。

愛する人の傍に。

鳴り響く携帯音・・・
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