日本女児VS肉食獣
「すご…」
「そう?まっ、会長は僕の弟だから、何か困ったことがあったら生徒会室に行けばいいよ」
「お前の家系って…」
「な?すごくね?雪達」
「……」
律の言葉に、灑牙はコクリと頷いた。
「?」
あからさまに驚いている灑牙に、"うんうんわかる"とでも言いたげな律。
何に驚いてるんだろう?
「とりあえず今日は泳ぐかっ」
「あぁ、わかった…律矢」
はにかみながら"律矢"と呼んだ灑牙に、
「お?」
律はニヤけ、
「おぉ…」
僕もニヤける。
「う、うっせーー!せーぜー俺のしなやかな泳ぎを見て、感動を待っとけよっ!!」
灑牙は恥ずかしそうだけど、何だか生き生きとした顔でプールに飛び込んだ。
灑牙に、宣言通り飽きるほど泳ぎを見せられ、さらには生徒に"泳いで下さい"と詰め寄られ、僕は少し疲れて家に帰った。