日本女児VS肉食獣

一度、目を伏せた柊葵はこう言った。

「………いや、俺は雪乃って呼ばせてもらう」

「雪乃?別にいいよ」

なんだか柊葵も、僕のこと男だと思ってないみたいだ。
だってみぃと同じ呼び方するし。
しかも"雪女"って…まさしく女じゃん。
でも…妖怪じゃ…?

「しゅっ柊葵!!僕って妖怪っぽいのっ?!」

頭1つ以上違う柊葵を見上げ、僕は詰め寄る。

「?…意味わかんね」

「………うぅ…」

本当に意味わからないみたいだ。

「……行くぞ。雪乃」

「…!…待ってよっ柊葵っ!売店そっちじゃないしっ」

「あ?」

「こっちだよ」

僕は、方向オンチな柊葵を引っ張りながら売店に行った。



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