貴様!何様?会長様!?



ムカつく。



逃げないとか宣戦布告してきたくせに、口だけか。



…イライラする。



――――…



グダグダと受けていた授業もなんとか終わり、俺は生徒会室にいた。



克也は先生に呼び出されて、他のやつらも誰も来ない。



シンとした生徒会室には、時計の秒針と雨粒が屋根にぶつかる音だけが響いていた。



俺はとくに何かをするわけでもなく、ただ椅子に座り窓から外を眺める。



雨の音に紛れて、廊下から足音が聞こえてくる。



――――“ガチャ”



次の瞬間、開いたドアから顔を覗かせたのは、吉野だった。



「……あ」

「………」



なんだその、あからさまな顔は。



悪かったな、俺しかいなくて。



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