貴様!何様?会長様!?
引っ掛かれた頬が、ジンジンする。
引っ掛かれるのはこれで2度目。
…くそ。
「いつどこで、誰と誰が、何をした」
俺は少し投げやりに克也に尋ねた。
克也は1つため息をついた後、口を開いた。
「お前、あの花見の時酔っ払ってさ…」
「華奈にキスしたんだよな!」
「は?」
横から入った声が、克也の言葉を遮った。
「ほんっと零くんて、酔ったら何するかわかんねーよなぁ」
咲だ。
「んま、そーいう事だ」
「………」
俺が、飼い猫にキス?
何かの間違いだろ。
「ちなみに目撃者は5人いるからな。無罪放免なんて、無理だぜ」
俺の心の中を見透かしたような、克也の口ぶり。